白川郷のトチ剥き

27日(金),研究仲間の上條信彦氏とともに岐阜県大野郡白川村の白川郷合掌造り民家園でトチ剥きを調査しに行きました。



トチ剥きは毎年1週間行われており,皮むき後の果実はとち餅を作るために使用されます。私たちの訪問日はこの冬の作業2日目にあたりました。

長年この作業に従事しているN夫妻にインタビューを行いました。彼らはトチ剥き,アク抜き,料理方法,この村の習慣など多くのことをご教示くださいました。




白川村では,台石と敲石が使われます。これらの石は通常河原で採ってきます。奥さんは長年使っているお気に入りのトチ剥き石を使っていましたが,旦那さんはこの11月25日に河原で拾ってきたばかりの石を使いこなしていました。作業開始後1時間ほどで,N夫妻の周辺にはトチ塚ができあがりました。

*以下の写真は作業中に撮影したため,明瞭ではありません。

また,民俗資料館でトチ剥き石を観察し,この村でトチの実を漬けておく水場も見学しました。

午後からは,富山県の五箇山・菅沼合掌造り集落を訪れました。この村でもトチ剥き石を探しましたが,ここでは該当する石は見つかりませんでした。これはおそらく五箇山と白川村との文化的・社会的な違いによるのかもしれません。

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