東北の石器残存デンプン粒

11月11・12日(10日・13日は移動)に,共同研究の調査で秋田県と青森県へ行ってきました。

11日:秋田県埋蔵文化財センター

当日は雪でした。

池内遺跡(縄文時代前期後半)の石器5点,堀量遺跡(縄文時代中期)の石器5点から試料採取を行いました。

池内遺跡については,大型植物遺体分析のため土壌試料も提供を受けました。今回の研究では,残存デンプン粒分析の結果とこれらの結果について比較検討を行う予定です。




特別収蔵庫での試料採取の様子
前回行った是川中居遺跡の調査では,試料採取を行った石皿よりいくつか良好な残留状態のデンプン粒を検出しました。今回は,重要文化財に指定されている8点の石器について試料採取を行いました。 

さらに,メンバー全員で是川中居遺跡の現在の地形を見学しました。大半の出土遺物は是川縄文館で保管されていますが,写真や図版を含む一部の発掘資料は,是川縄文館の近くにある八戸市立縄文学習館で展示されています。
是川中居遺跡の現在の地形
八戸市立縄文学習館



玄関の床には,ワークショップのためのドングリやトチノキが干されていました。これらの木は,是川中居遺跡の復元された植生の結果にもとづいて,八戸市立縄文学習館の周辺に植えられています。

今回は実に,さまざまな石器から残存デンプン粒分析用の試料を採取することができました。また,共同研究のメンバーたちと是川縄文館の研究者たちとの話し合いにより,残存デンプン粒のタフォノミーの問題を検討するため,次回は縄文土器,特に円筒土器を調査することとなりました。どんな結果を得ることができるのか,個人的にも楽しみです。

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