JSSSCPと秋田・八戸調査

7月6日(土)・7日(日)は日本文化財科学会第30回大会に参加してきました。今大会では,6日に特別セッション「亀ヶ岡文化研究の現在」が開催され,亀ヶ岡文化に関する最新の研究報告が行われました。

私は,7日(日)に「北海道式石冠は植物加工具か?―残存デンプン粒からみた北海道伊達市北黄金貝塚の植物利用」の研究報告を行いました。報告終了後,北海道の研究者たちをはじめ,多くの方がたからご教示をいただくことができました。北海道での新しい調査も計画されることとなり,北黄金貝塚の研究とともに今後北海道でも残存デンプン粒研究を進めることになりました。

その後,大仙市へ移動し,8日(月)は横手市神谷地遺跡の調査現場へお伺いしました。5~7月に出土したばかりの石皿から,残存デンプン粒分析用の試料を採取させていただきました。あいにくの雨模様で,石皿が出土した遺構は水没していましたが,貯蔵穴や住居跡などの遺構や顔料などの遺物を見学することができました。 

 
8日(月)午後~9日(火)午前は,秋田県埋蔵文化財センターで池内遺跡から出土した石皿や磨石類を見学し,試料を採取しました。

今回の調査では,報告書に掲載された石器を中心に試料採取を行いました。次回11月に予定している調査では今回の続きを行う予定です。


9日午後は八戸市へ移動し,10日(水)午前は八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館で,田代遺跡の石皿と磨石(2012年出土),是川中居遺跡の石皿を見学,試料を採取しました。次回の調査では,今回の分析結果をふまえて,重要文化財に指定されている石皿類から分析試料を採取する予定です。

文化財科学会をはじめ,非常に内容の充実した東北出張となりました。今回採取した試料の検鏡は7月後半から徐々に開始する予定です。

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