新刊:残存デンプン研究


先ごろ、現在までの残存デンプン研究をまとめた『Ancient Starch Research』(R. Torrence & H. Barton編)が発刊されました。残存デンプン研究を推し進めている気鋭の考古学者たちが執筆に携わっており、この分野の研究についての全体像をつかむことができると思います。

日本でこのような植物考古学のテキストが作られることが私の願いです。

コメント

  1. ようやく本を購入できました。デンプンの写真・挿図ともに豊富に盛り込まれています。

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  2. この本を早速、購入することにしました。
    デンプン粒の残留が考えにくそうな熱帯地域でも考古遺物を対象とした分析が行われ、調査例が増加しつつある...その要因を理解できれば、と期待しています。

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  3. コメントありがとうございます。

    自然科学の研究者によりますと、デンプンは非常に安定した化学構造を持っていると言われています。

    しかし、考古遺跡・資料に残るデンプンがどのような「経年変化」を受けているのか、残留の要因や条件は未解明です。世界的に見ても考古学では残存デンプン研究が新しい分野の研究ですし。

    日本でも調査例が増えれば、残留の要因について情報が得られるかもしれません。

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  4. 『Ancient Starch Research』、私の手元にも届きました。
    デンプン粒の生物学的特性や考古学への応用例だけでなく、とかく忘れられがちな基礎分野(堆積物中での移動・保存・風化作用,タフォノミーなど)についても現段階の研究例が網羅されているようで、調査例が増加しつつある要因も理解できそうです。
    デンプン粒の写真が多いのもイイですね。日本では藤本 滋生さんの「澱粉と植物」(1994,葦書房)で現世標本の写真が数多く掲載されていますが、この『Ancient...』は遺物での検出例が多くて、嬉しいですよ。

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