2006年3月26日

作物の脱穀・精製モデル1

モデル1:G. ヒルマン(1981,1984)

ヒルマンは収穫・脱穀モデルを提唱しました。これは独創的な研究であり,植物考古学に新しい基準を確立させました。さらに,多くの考古学者たちが植物遺存体を解釈するためにこのモデルを広げています。

ヒルマンのモデルは各精製過程を示しており,原始小麦を精製する過程は脱穀,第1次選別,小穂(しょうすい)の粗いふるい分け(2段階ある),乾燥,籾すり,第2次選別,粗い・細かいふるい分けとなります。精製された穀物は保管施設に運ばれます。手で行う選別はさらに食べる際に精製が必要な時に小さいかたまりで行われます。裸麦の脱穀・精製過程では脱穀,第1次選別,粗いふるい分けが行われ,それから穀物は保管施設に運ばれます。

  • Hillman, G. 1981a. Reconstructing crop husbandry practice from charred remains of crops. In Mercer, R.J. (ed.) Farming practice in British prehistory. Edinburgh: Edinburgh University Press. 123-161.
  • Hillman, G. 1981b. Cereal remains from Tell Ilbol and Tell Qaramel. In J. Matthers(ed.) The River Qoueiq, northern Syria, and its catchment: studies arising from the Tell Rifa’at survey 1977-79. BAR International Series 98: 503-507.
  • Hillman, G. 1984. Interpretation of archaeological plant remains: the application of ethnographic models from Turkey. In W. van Zeist and W.A. Casparie (eds.) Plants and ancient man: studies in palaeoethnobotany. Rotterdam: A.A.Balkema. 1-41.

モデル2:M. ジョーンズ (1985)

M.ジョーンズのモデルは穀物の遺物はそれらが大量に発見されるような農生産遺跡にのみあるのではなく,交換によって農作物を受け取る非生産遺跡(あるいは消費遺跡)であっても,精製の最終段階で廃棄された物が集落の火を受けた場所(注:炉跡など)に捨てられているだろうということを示しています。

  • Jones, M. 1985. Archaeobotany beyond subsistence reconstruction. In G. Barker and C. Gamble (eds.) Beyond domestication in prehistoric Europe: investigations in subsistence archaeology and social complexity. London: Academic Press. 107-128.

モデル3:G. ジョーンズ(1983,1987)

ジョーンズは作物や副産物の区別が脱穀・精製過程の各段階で出てきた雑草種子によってどのように以下のことが表されるのかをモデルにしました:1)種子は細かいふるい分けによって大きさが変わる;2)粗いふるい分けによって脱穀されても先端部が残る種実や大きな突起を残す種実の傾向がわかる;3)種実の空力的特性は選別によってわかる。

さらに,ジョーンズは精製モデルを発展させてどの作物が精製されたのかを統計的に示しました。

  • Jones, G. 1983. The ethnoarchaeology of crop processing: seeds of a middle-range methodology. Archaeological Review from Cambridge 2 (2): 17-26.
  • Jones, G. 1987. A statistical approach to the archaeological identification of crop processing. Journal of Archaeological Science 14: 311-323.

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