考古学は科学です

1つの機関であれば捨て置きますが,同様のことが重なったので,あえて書き残します。該当の研究者・機関が目にすることはないでしょうが,以下は私の考えです。自戒を込めて。

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科学の研究において,分析や実験を行った結果,最初の期待値と得られた結果の異なることは多くあります。プラスの結果やマイナスの結果,何もわからない,などさまざまです。自分たちの説や理論が大幅に覆されることはありますし,逆に予想以上の良好な成果を導き出すこともあります。

両方の結果あってこそが科学,無いことの確認自体も重要な成果です。昨今求められている,研究結果の再現性や研究過程の透明化にもつながります。有ることだけ取り上げる,自説に沿うものだけを扱う,それは物語であって,科学とはいえません。

「マイナスの結果は報告書に掲載できない,だからお試しでやってほしい」,少なくとも科学分析の結果を使う考古学者は,自分たちがおかしなことを言っているのだと自覚する必要があると思います。

さらに,個人宛の依頼であっても,相手の時間を使い,相手の道具や機械を使い,分析の種類によっては電気や場所を使うことになります。分析会社への依頼と同様に正当な対価を出す,あるいは請け負う側が対価を求めるのは当然のことだと考えます。

【節約のために】個人に依頼を出す。「自分たちのモノを研究させてやっている」「感謝されてしかるべきだ」という考えが,無意識の根底にあるのではないでしょうか。

考古学は科学的思考を重ねるなかで進んできた学問です。今一度,自分たちの振る舞いを省みることは大事だと思います。

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