EAJS2017へ参加と発表

8月29日(火)から9月2日(土)まで,ポルトガル・リスボンのThe Universidade NOVA(Faculty of Social Sciences and Humanities(FCSH))で開催された15th International Conference of the European Association for Japanese Studies(EAJS2017)が参加してきました。










大会組織委員会によると,今回の学会は世界各国から1200名を超える日本研究を専門とする研究者の参加があったそうです。

公式な開催は8月30日(水)午後でしたが,8月28日からすでにプレイベントとして,リスボン市内の著名な博物館や教会,宮殿や図書館などを巡るツアーやさまざまなワークショップが多数行われていました。学会期間中は,毎日9時から17時半ごろまで28ほどのセッションが同時に進行される非常に規模の大きな学会でした。























































私は9月1日午後に「S7_27:New Perspectives from Archaeology」において,総合資料学の紹介とあわせて自身の研究成果について口頭発表を行いました。

Ayako Shibutani. 2017. Reevaluating Plant Food Cultures during the Jomon Period Using Starch Granule Assemblages from Northern Japan.












会場規模のわりには参加者が少ない状況でしたが,総合資料学や最近進めている紙の分析について多くの質問を受け,国際的な共同研究の可能性について意見もいただきました。

発表セッション以外で参加したセッションには,江戸時代における災害史や防災に関するもの日本食をベースとした民俗研究などもあり,今後の総合資料学の活動につながるような話も参加者たちとかわすことができました。

個人的な雑感ですが,「日本研究」と銘打っているわりに公用語が英語のみというのは,不思議な感じを受けました。参加者の方がたは私が日本人とわかると日本語で話してくれますし,どなたも日本語が堪能な人ばかりでした。私の参加したどのセッションでも,個々の発表で日本語での言い換えがたくさん出てきます。

さらに少し気になったのが,日本人研究者の発言回数が少ないように思えることです。たまたまだったのかもしれませんが,発表者を含めて,質問も議論も中心になるのは海外の研究者ばかりでした。

平安時代以前の歴史研究がほとんどないのも,今回の学会の特徴といえるかもしれません。私の研究発表が一番古い時代を扱っていたようです。

ちょっとしたトラブルに巻き込まれたり,航空会社のトラブルで予定日に帰国できなかったりと,最終日にさまざまな事件が発生しましたが,全体としては,今後の研究活動の進展につながるような,多くの成果を得ることができました。関係者の方がたに厚く御礼申し上げます。












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