西アジアの国際シンポジウム

6月28・29日に国際シンポジウムに参加してきました。

シンポジウム「西アジア文明学の創出1:今なぜ古代西アジア文明なのか?」
6月28日(土)
趣旨説明:西アジア文明学がめざすもの
セッション01:地質が文化を創ったのか?
セッション02:古気候変動に問う西アジアの歴史
セッション03:メジャーフードの誕生
セッション04:交換資源としての家畜の生産
セッション05:古代西アジアで花開いた先端技術
セッション06:都市はこうして生まれた

 
初日のセッションは主に地質学,古気候変動,植物の栽培化と農耕の起源,動物の家畜化と交換資源化,パイロテクノロジー,古代都市に関するものでした。西アジア考古学に関する知識がない私にとってはいずれも非常に興味深く感じました。

その後,レストランで懇親会が行われました。サンシャインシティの高さで窓からみた夜景はとても美しいものでした。


レストランからの土産






 





池袋駅に向かった際,サンシャイン水族館で近く開催される「猛毒展」の看板を見つけました。

紫の漢字で「毒」が描かれています。その色味とレイアウトがこの展示の意味を示しているように思われて,私にはとても格好よく思われたポスターでした。 


29日(日)
セッション07:西アジアで生まれた世界最古の文字
セッション08:神々と宗教のはじまり
セッション09:地震活動と古代文明
セッション10:西アジア文化遺産をめぐる考古科学と保存科学

パネル・ディスカッション:現代文明の基層としての古代西アジア文明

2日目のセッションは主に,楔形文字の書き方,宗教,古代の地震,文化財保存学が話題となりました。私にとって非常に興味深かったのは楔形文字の技術です。メソポタミアの環境に関わる多くの情報を含んでいることを知りました。さらに,文化財保存のセッション10は私の研究や業務とこれらが関わっているため,こちらも興味深いものでした。人間が考古資料を破壊する要因の1つであるということには私も同感です。


セッションが終わった後はパネル・ディスカッションが行われました。実のところ,セッションに対するコメントが少し長く,討論の時間の多くを費やしました。しかし,私はコメンテーターの「アジアを比較する視点」という言葉に強く衝撃を受けました。なぜ西アジア考古学を私たちが研究するのか?答えがまさにそこにあるのではと思われたのです。




ヨーロッパでも,北米でも,西アジアの人間でもない。東アジア,特に日本の研究者が西アジアについて研究することは非常に意味のあることだと思います。相互理解と信頼関係を深めることにつながるかもしれません。このシンポジウムで,私はこれらの事項を認識することができました。

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